『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』感想と考察|じわじわ効く“山の違和感”が怖い
こんにちは、恐怖映画探検隊のとしひろです。
今回は、2025年1月公開のホラー映画
**『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』**を紹介します。
この記事の前半は ネタバレなし でまとめています。
まだ観てない方も安心して最後までどうぞ!
動画はこちら!
作品概要|短編受賞作を“長編化”した正統派Jホラー
本作は、近藤亮太監督の長編デビュー作。
原案も監督自身が手がけています。
もともとは短編『Missing Child Videotape』として制作され、
第2回 日本ホラー映画大賞の大賞受賞作を長編化したオリジナルストーリー。
ちなみに第1回の大賞作品は『みなに幸あれ』。
あれ、キモかったですよね(褒め言葉)。
僕は紹介・考察動画も出しているので、気になる方はぜひ。
そして総合プロデュースは、『呪怨』シリーズの清水崇さん。
これだけで「Jホラーの血筋」を感じます。
空気がじっとりしてるタイプの、あの感じ。
キャスト|若手中心+渋い脇役が効いてる
主演は杉田雷麟(らいる)さん。
幼い頃に弟が失踪してしまったトラウマを抱える主人公・敬太を演じます。
同居人の司役に平井亜門さん、
女記者役に森田想(こころ)さん。
さらに脇を固めるのが……藤井隆さん。
これが意外と(失礼)めちゃくちゃ良かった。
「演技力ホット」でした。
全体的に低予算っぽさはあるんだけど、
チープさが目立つタイプではなく、むしろ不気味さの武器になってました。
あらすじ(ネタバレなし)|“失踪の瞬間”が映ったテープが届く
主人公・敬太は幼い頃、弟の日向と山へ遊びに行った際、
日向が突然失踪してしまいます。
時が経ち、敬太はトラウマを抱えながらも、
失踪者を探すボランティアをしながら暮らしていました。
ある日、実家から一本の古いビデオテープが送られてきます。
そこには――なんと日向が消えた瞬間が映っていて……。
敬太は同居人の司とともに、再びあの山へ向かい、
日向を探し始めるのですが――。
どんな怖さ?|ジャンプスケアなし、“雰囲気で追い詰める”タイプ
この映画、ジャンプスケアはほぼありません。
でも、怖い。じわじわ怖い。
- 土着信仰っぽい“得体の知れなさ”
- ファウンドフッテージ的な「映像が語る不気味さ」
- そして、主人公の心理と家庭環境のしんどさ
この3つが混ざって、雰囲気がめちゃくちゃ良い。
特にビデオテープの粗い画が逆にリアルで、
「見ちゃいけないものを見てる」感じが増していくんですよね。
感想(ネタバレなし)|怖さより“心理ホラーの深み”が効く
個人的には かなり面白かった です。
「怖かった?」と聞かれると、
僕は “怖い……かなぁ?” くらい。
というのも、これは幽霊ホラーというより
心理と関係性が刺してくるタイプなんですよ。
家族の歪みが後半に向けてじっとり染みてくる。
そして「これってもしかして……」と思わせるのに、
最後まで全部は説明しない。
でも、投げっぱなしで意味不明でもない。
余韻が残る。ここが良さ。
一方で、レビューを見ると
「ツッコミどころが多くて入り込めなかった」という声もあるみたいで、
確かに細部の作り込みは甘いと感じる人もいるかもしれません。
とはいえ、僕は 人におすすめできる良作だと思います。
アマプラ加入者はぜひ。
【ネタバレあり】『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』解説と考察(注意)
ここから先は ネタバレあり です。
未視聴の方は、鑑賞後に戻ってきてください!
動画はこちらです!
今回はわかりやすく、3つのカテゴリーに分けて整理します。
- 廃墟(摩白山)の設定と謎
- 家族関係と心理的テーマ
- キャラクターの運命と出来事
ではいきましょう。
1:廃墟(摩白山)の設定と謎
1-1. “地元民は知ってるのに、廃墟は誰も知らない”
作中の「摩白山」は、地元の子どもには遊び場。
でも大人たちは口をそろえて「行かない方がいい」と言う。
さらに不気味なのは、山にあるはずの廃墟について
誰も存在を知らない/記録もないこと。
「あるはずなのに、誰も知らない」
この時点で相当嫌な匂いがします。
1-2. “捨てる場所”としての山
あの廃墟周辺は、不要なものを捨てられる場所として描かれます。
- 大量の骨壺
- 「汚れた下着を捨てたら生理がなくなった」という民宿のおばあちゃんの話
つまりここは、物だけじゃなく
感情やトラウマまで“捨てられる”場所として
地元に認識されていた可能性がある。
骨壺も、死や別れの悲しみを断ち切るために捨てたのかもしれない。
何かが「消える」「断ち切れる」場所。
それが神の力なのか呪いなのか、判然としない。
その曖昧さが、あの不気味さを生んでるんだと思います。
1-3. 廃墟は“実在”したのか?
ここは最後まで答えが出ません。
存在するようで、存在しない。
面白いのが、テープが登場するタイミングで廃墟が現れること。
- 敬太が子どもの頃、ビデオを持っていた時
- 大学生グループがカセットを所持していた時
もしかすると、テープ=“磁気”みたいなものが
向こう側とこちら側の境界に影響しているのかもしれない。
あなたはどう思いました?
2:家族関係と心理的テーマ
2-1. 敬太の家庭は“安らぎ”じゃない
父は「理想の家族」を押し付け、
母は日向に執着する。
弟は兄を慕う。
でも、その構図が敬太を追い詰めていく。
家が安心できる場所じゃなくて、
重荷になっていたんですよね。
2-2. 日向は“捨てられた”可能性
ここが本作で一番ゾッとする考察。
敬太は弟を心配しながらも、
嫉妬や苛立ちを抑えられなかった。
「かくれんぼ」を提案したのは
怖がる弟を意地悪したかったのか。
それとも無意識に、“捨てた”のか。
事故なのか、それとも……?
2-3. 「無意識の殺意」仮説
僕はこの説を推したい。
敬太は意図せず、抑圧された感情が行動として出てしまった――
いわゆる 無意識の動機(Unconscious Motivation) 的なもの。
明確な殺意はない。
でも無意識の動機が、悲劇に繋がる。
例として有名なのが、夢遊病中の事件として語られる
カナダの「ケネス・パークス事件」。
敬太も同じように、
無意識で弟を“捨ててしまった”のかもしれない。
2-4. 母の遺体が“見えなかった”理由
敬太が母の遺体を“見えなかった”場面。
ここは2つの説が立つと思います。
① 超常現象説
山の力で現実が歪み、物理的に「見えなかった」。
② 心理的な拒絶説(見て見ぬふり)
敬太は母を「不要」「邪魔」と認識していて、
存在そのものを拒絶した。
アパートの押し入れに母からの段ボールが山積みで、
中身を確認せず放置している描写も
「関わりたくない」という拒絶に見える。
遺体が見えないのは「死が辛いから」じゃなく、
母そのものを拒絶したから――
僕はこっちの方が怖いと思いました。
3:キャラクターの運命と出来事
3-1. 美琴の手を掴んだ存在は誰?
廃墟で美琴の手を掴んだ存在。
僕は 敬太の父 だと思っています。
理想の家族を押し付けた父が、最後は息子を守ろうとした。
美琴なら敬太を救える、と導いたのかもしれない。
ちょっとロマンティックですかね。
3-2. 司の運命がいちばん怖い
同居人の司は、最後に廃墟に“捨てられた”ように描かれる。
理由は、敬太が抱える真相に触れてしまったから。
司は悪気なく「日向がそばにいる」と言っただけなのに、
それが敬太の疑心暗鬼を刺激する。
「こいつ、知ってるんじゃないか」
「俺がやったって思ってるんじゃないか」
敬太が司を“いらない存在”と無意識に判断した結果、
司が捨てられたのだとしたら――
ラストで敬太が司に語りかけるあの無表情、
罪悪感ゼロに見えて、僕はあそこが一番怖かったです。
まとめ|説明しないからこそ残る“嫌な余韻”
設定や伏線をハッキリ言わない。
それを「余韻が最高」と取るか、
「投げっぱなし」と取るかは好みが分かれると思います。
僕はこの映画の雰囲気と設定、かなり好きでした。
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以上、『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』の
感想&解説考察でした!
あなたは
「余韻が最高派」
「説明不足派」
どっちでした?
ぜひコメントで教えてください。
また次回の恐怖映画探検隊でお会いしましょう。
としひろでした、ばいばい!
