※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。Amazonアソシエイトも参加しています。

ホラー

【映画 返校】悪夢は誰の夢?軍服の怪物はあの有名な地獄の神様だった!【徹底解説】

返校解説考察
としひろ
としひろ
どもこんにちは!としひろです。

今回は前回紹介しました台湾ホラーの傑作「返校」の解説です。

返校観ましたか?

禁断の愛、そして悪夢にとらわれた一人の少女。

ストーリーも素晴らしく、実に見事に話がまとまっているので超おすすめです。

血はほとんどでないけどちゃんとホラーしているのでホラー苦手な方は覚悟して観てくださいね。

この記事の動画も作りましたのでこちらもぜひご覧になってみてください。

じゃ、さっそく解説していきましょう!

映画返校の謎を徹底解説

ファンとウェイがいた暗い学校は異世界?

異世界ではなくあの世とこの世の狭間の世界であり、どちらかというと地獄の一歩手前みたいなところ。

仏教的に言えば三途の闇が一番しっくりきます。

三途とは地獄道、餓鬼道、畜生道の三つのことを指します。

それぞれ簡単に解説すると

地獄道:傷つけ殺しあう世界
餓鬼道:貪欲の世界
畜生道:人間を中心として他の生き物を蔑ろ(ないがしろ)にする世界

返校の舞台は1964年の白色テロの時代で、作中でも描かれていますが、人が人を監視し、理不尽な理由で拷問や処刑も許されているまさに地獄のような世界です。

現実世界の怨念とか悪意とか憎しみとか嫉妬とか、負の感情の象徴として学校が悪夢の舞台になったのだと思います。

悪夢は誰の夢?

ではこの悪夢は誰の夢かというとウェイくんが見ている夢ではあるんですが、ファンがさ迷い続ける悪夢の中なんです。

冒頭に「僕を苦しめたのは拷問ではなく…」というセリフもあるのでウェイくんが悪夢を見ているのは間違いありません。

しかしウェイが作り出した世界ではないんです。

ウェイは度重なる拷問により何度も意識を失い、そしてその度にファンが自身の罪に延々と繰り返し苦しむ悪夢の世界へ入り込んでいるんです。

学校の外の川は?

あれは三途の川というのが一番しっくりきます。

三途の川とはあの世とこの世の間に流れているという有名なあの川です。

台湾の宗教の割合は道教、仏教がそれぞれ3割超えとなっていて、台湾人に仏教の考えが根底にあると言っても間違いではないでしょう。

ちょっと調べてみたらアジアだけではなく古代ギリシャ神話にも三途の川のような考え方はあったようです。

あの世とこの世が川によって隔てられているという考え、概念は世界的なもののようですね。

学校がファンがさ迷い続ける三途の闇と考えると外の川は三途の川と考えていいのではないでしょうか。

ちなみに三途の川には流れの速さが違う3つの瀬があり、この世での業の深さによって渡る場所が変わると言われています。

あの川は物凄い激流でしたよね。

あの悪夢がファンの世界と考えると他人を犠牲にしてでもチャン先生を自分のものにしたい強欲さを持っているというファンの業の深さを表しているのかもしれません。

軍服の巨人はいったいなんなの?

やつの存在は謎に満ちていますが、あの世界が悪夢の中のバイ教官の言う通り、罪深い死者が集まる地獄の一歩手前のような世界とするなら、軍服の怪人はさしづめ処刑人といったところでしょうか。

日本人になじみ深いものとして言い換えるなら閻魔様です。

閻魔様というのは死者を極楽浄土へ行かせるか、それとも地獄へ行かせるかを決める地獄の主なんですが、死者を裁く際に浄玻璃(じょうはり)の鏡というものを使います。

浄玻璃の鏡というのは死者の生前の罪を全てみることができる鏡で、隠し事は一切できないと言われています。

あの怪人が罪人を裁く役割があり、顔が罪人を映し出す鏡というのは非常におもしろいデザインですよね。

怪人の顔が割れた理由

顔の鏡が罪人の罪を映し出して罰するための浄玻璃の鏡だとして、ファンの顔をのぞいたときになぜ鏡は割れたのか?

浄玻璃の鏡には生前の罪人の行いを見る以外にもう一つ役割があり、その役割とは罪人に自信の罪をみせることで反省を促すというものなんです。

講堂でバイ教官が(罪は)全て忘れてしまえばいいだろうと言うのに対し、ファンが二度と忘れないと強く誓ったことは、ファンが逃げ続けていた自身の罪を受け入れたということで、これはまさに浄玻璃の鏡の役割そのものだったかと思います。

タイトルの「返校」の恐ろしい真の意味

返校とは英語で言うと「return to school」となり、直訳すれば学校へ戻る、となります。

ラストシーンで年取ったウェイが学校へ戻り、悪夢の中でさ迷い続けていたファンにチャン先生の手紙を渡します。

これが学校へ戻るというタイトルのひとつの意味です。

そしてもうひとつ。

この作品の英題はdetention

意味は拘留。

このdetentionが含まれることでファンがあの暗く恐ろしい悪夢の学校の中を延々とさ迷っているという意味になります。

ファンが罪を全て思い出し、そして自殺したときと同じ首つりをして再び教室に戻る地獄のループ。

まさに無間地獄というわけです。

めちゃくちゃ怖い…。

チャン先生からの電話はなぜあった?

職員室の電話が鳴り、ファンがとると受話器からはチャン先生の「ここから出ろ!」というメッセージ。

あれは既に死んでしまったチャン先生がファンを助けたいがためにかけてきたのかもしれません。

ラストシーンでチャン先生がファンに対して贈った手紙に「現世では縁がなかったから次の世でまた会おう!」と書かれていました。

この手紙からチャン先生はファンを心から愛していたことがわかります。

なのであの電話は愛する女性を悪夢から救い出したいというチャン先生の想いがつまったものだったのではないでしょうか。

実はこれラブストーリーだったんですね(笑)

でも嫌いじゃない(*´ω`*)

まとめ

というわけで返校の謎を解説、考察してみました。

少しは頭に浮かんだクエスチョンマークはとれたでしょうか?

なお、この映画返校はNetflixで配信中なんですが、Netflixオリジナルドラマ版もありドラマ版は時代が少し進んでいて、映画版の登場人物も少し出るようです。

小説版とコミカライズ版もあり、どちらもコミックシーモアで読むことができます。

興味ある方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

返校のコミカライズ版読むならコミックシーモア