※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。Amazonアソシエイトも参加しています。

ホラー

韓国ホラー【哭声/コクソン】が疑心暗鬼の塊のような映画だった件《途中からネタバレ含みます》

コクソン ネタバレ感想
としひろ
としひろ
どもこんにちは!自称台湾ホラー紹介人としひろです。

今回は韓国ホラーの【哭声/コクソン】という映画をご紹介します。

この映画は先日紹介、考察記事も書きました【女神の継承】をプロデュースしたナ・ホンジン監督の作品となっています。

女神の継承と同じく前半パートと後半パートでがらりと展開が変わっていくのが非常におもしろかったです。

キャッチコピーが疑え。惑わされるな。なんですが、最後の最後まで誰を信じるべきなのか、誰が黒幕なのか、展開が二転三転し主人公と同じように混乱させられるので、観終わった後は正直疲れましたw

個人的には女神の継承の方が楽しめたしおもしろいと感じましたけど、こちらもよかったですよ!

紹介動画も作りましたのでこちらもぜひご覧になってみてください!

哭声/コクソンオフィシャルトレーラー

あらすじ

何の変哲もない田舎の村、谷城(コクソン)。その村の中で、村人が家族を惨殺する事件が立て続けて発生する。容疑者にいずれも動機はなく、幻覚性の植物を摂取して錯乱したための犯行と発表されたが、謎の発疹を発症するなど説明しきれない不可解な点が多く残っていたことから、いつしか、村人たちの中では山中で暮らす謎の日本人が関わっているのではないかとささやかれはじめる。

捜査にあたる警察官のジョングは、オカルトじみたその意見を当初まともに取り合わなかったが、実際にその目で数々の異常事態を目撃したことにより、徐々に疑念を抱き、一度は断念した男の家への訪問を決める。そして通訳の神父らとともに男の家を訪れたジョングは、得体の知れない祭壇や事件の現場を写した写真などとともに、娘ヒョジンの靴を見つけ、疑いを決定的にする。

ジョングが男と関わってから高熱を発していたヒョジンはすぐに回復したものの、苦手な食べ物を食らい、ジョングに対しても普段は親思いの彼女からは想像できない罵詈雑言を吐くなど奇行を繰り返し、その体には一連の容疑者と同じ発疹が現れていた。そして、家族が目を離した隙に、怖れていた事件を起こしてしまう。

事態を収拾するため家族が呼んだ祈祷師のイルグァンは、男をこの世のものではない悪霊だと断じ、抹殺のための儀式を行う。しかし、その最中に儀式の中止を訴え、苦しむヒョジンを見かねたジョングはイルグァンを追い出してしまう。一方、同じ時間に男も山中で儀式を行っていた。

その後ヒョジンの容態はさらに悪化し、発疹も全身に広がっていく。娘を案じる一心で仲間とともに山中の家に押しかけたジョングは、ついに男を追い詰めるが…

「哭声/コクソン」(2023年2月10日 (金) 17:16 UTC版)『ウィキペディア日本語版』。

哭声/コクソン感想(ネタバレあり)

総評

Twitterや映画サイトの記事でもコクソンは非常に評価が高くて、女神の継承観た後だと余計に気になってしまって観たわけですが、これは納得の出来

先の読めないストーリー展開は類を見ないもので、最後の最後までハラハラドキドキ。

惨殺事件、謎の日本人、狂っていく娘、そして祈祷師。

全てが結びついているのは間違いないのにどこが繋がっているかが最後までわからない。

疑っていたものが実は思っていたものと違って…でも、あれ?と、何度も何度も考えを変えさせられてしまうんですね

ナ・ホンジン監督の見事な手腕に脱帽でした。

また、血はそれなりに多く見るのにその瞬間のシーンはほとんどないというのも驚き。

ホラーなのに。

前半はいろいろコミカルなシーンが目立ち、この展開が続くの?とちょっと不安でした。

主人公が普通のおっさんであり、地位も高いわけでもなく、特別優秀というワケでもない。

体力も落ちてきて老化を実感しているシーンは軽く共感してしまいます(共感したくないけど!)

しかし娘が徐々におかしくなっていくと緊張感がぐんぐん上昇。

頼りない主人公のおっさんがなんとも頼もしくも見えてきます。

気づいた時には緊張感のあるスリラーホラーに変貌しているんです。

そして主人公家族が幸せな終わり方でありますようにと強く祈ってしまいます。

ほんと話の構成が非常に見事でしたね。

その構成力、このブログにもほしいくらいです(涙)

【ここから下ネタバレ含みます】

田舎町に来たよそ者《日本人》

さて、この作品のキーパーソン國村隼について。

多くを語らない謎の日本人役で不気味すぎる存在感は素晴らしかったです。

ただのよそ者で無害な人なのか、それとも犯罪者なのか、それとも…。

なぜ「日本人」が必要なのか、疑問に感じた人も多いようですが、言葉が違うというだけでなにを考えているかわからない、というのは普段の生活でもあると思うんですよね。

特にめったによそ者が来ない田舎ならきっとそれは強い。

だからあの村の人たちはよそ者というだけで事件に何か関りがあるに違いないと疑いの目を向けてしまったワケです。

それは観客である僕もそうでした。

結果としてはそれは正しかったんですがその途中途中の表情が実に見事。

いくつもの顔をみせることで観客を魅了した國村隼は韓国のアカデミー賞とも言われる青龍映画賞2冠を達成しています。

これまた納得の受賞ですね!

白い服の女とイルグァンという祈祷師

この映画は「疑う事」をひとつのテーマにしています。

祈祷師の男イルグァンが出てきたことで僕は完全に「よそ者の日本人」が悪い祈祷師で黒幕であり事件の犯人であると思い込み、祈祷師の男はちゃらんぽらんだけど優秀だと思い込んでしまいました。

そしてその結果、白い服の女悪霊の類で村に害を与える存在だと思ったんですね。

完全に監督の思うつぼですよw

しかし最後はまるで違った。

白い服の女は主人公を含め村を助けようとしていた存在(人なのか精霊なのかは謎)であり、「日本人」は祈祷師ではなく悪の存在であり祈祷師の男もグルだったわけです。

「日本人」に関しては主人公グループに追われるシーンのときには「あれ?これ実は普通の人間なんじゃ??」と思ったりして考えが何度も変わってしまいましたが悪魔、悪霊の類でしたね。

ちょっと自分のことになるんですが最近伝え方がとても大切だという本をよく読むんですよ。

人に伝わるのとうまく説明するのは違うという話もあり、伝え方って本当に難しいなと思うんです。

で、この映画。

見せ方を前半と後半で変えていて、その中でも観客が疑心暗鬼に陥るように工夫されています。

最後まで真相がはっきりとでてこないので観る人によって解釈がだいぶ違ったりするんです。

この見せ方(伝え方)というのは本当におもしろいと思いましたね。

まあでもちょっと小難しい感じは否めないので好き嫌いは分かれるかもしれません。

キリスト教が話のベースにある

1つだけスッキリできないポイントとしてはベースにキリスト教がある点です。

日本にもクリスチャンの方は多くいますけどほとんどは仏教だったり仏教よりだと思います。

だからキリスト教の考え方、教えがよくわからない

白い服の女が主人公の足元に石をいくつも投げるシーンも聖書の引用だそうで、聖書に深い知識を持っている方はきっと深く心から楽しめるんだろうなと感じました。

まとめ

コクソンは女神の継承の元になっている作品です。

理不尽な呪いに嫌悪感を持つ人も多いとは思いますが、非常に見応えのある作品になっています。

ホラー好き、考察好きならぜひチェックしてみてくださいね!

今ならアマプラで無料で観れますよ!