今回は前回の続きで、実写版幽遊白書がなぜ5話しかなかったのか、そしてシーズン2の可能性というのを考えてみます。
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前回の記事はこちらです。

実写版幽遊白書はなぜたった5話しかなかった?
これに関しては制作陣もまず間違いなく同じように思ったはずです。
だってこれの制作に関わってる人でジャンプをリアタイで読んでた人絶対多いと思うんですよ。
で、めちゃくちゃ幽遊白書大好きな人もいるはずだし。
だからじっくり1シーズン10話構成で3シーズンくらい作りたいって思う人はいたはずで、むしろそういう人多かったはずです。
じゃあなんで10話作んないんだという話なんですが、これはもうカンタンに想像できますし、とても単純な話です。
お金です。
予算がそれしかなかったから。
ここからの話は僕の想像、推測がまじりますのでご了承ください。
Netflixだからといって予算も時間もくれるわけじゃない
元々幽遊白書を実写化しようという話はネットフリックスからの提案です。
しかし視聴率、視聴時間、新規加入数などを重視するので採算が合わないような作品、平たく言ってしまえば金を生み出しそうにない作品にはそれなりの予算しかないし
続編の構想があったとしても打ち切りです。
世界レベルのVFXやどでかいスタジオを贅沢に使うので予算については地上波のドラマとは雲泥の差にはなりますがね。
しかし莫大な予算はあるけどそれを回収して、Netflixという会社に利益をもたらすような世界的なヒット作にしないと次はないわけです。
いくら原作ファンが喜ぶようなものを作ってもヒットしなくちゃ意味がない。
おもしろいと証明できる時間とお金の猶予がまったくないから瞬間的にでもまずバズるような構成にしなくてはいけない、
Netflixは世界レベルの大企業ですから、バズるのを何年も待つほど猶予をくれるわけじゃないんです。
そういう作りにしないと次に繋がらない、でもそうなると本当に作りたいものが作れないというジレンマは制作陣にあったのかなとも思います。
話を凝縮したのは世界的ヒットを狙ったから
ではなにを一番に考えて作るか、となります。
幽遊白書が世界中の人が楽しめるようなものにするには?
おそらくネットフリックスの人たち、そしてクリエーターの人たちはデータを集めてそれが戸愚呂弟との死闘であると結論付けたんじゃないでしょうか?
でも戸愚呂との戦いまでいくには話が多すぎるし全てを作っている予算も時間もないわけです。
だから幽遊白書の魅力はなんなのかをクリエーターは考え、それが戦い、アクションであると考え、予算をアクションに贅沢に注ぎ込み、幽助と戸愚呂弟の戦いで世界を熱狂させようとしたんじゃないでしょうか。
ゴールを戸愚呂弟にして逆算していった結果、幻海のとこの修行を作りこめなかったり四聖獣編を作りたくても作れなくなってしまった。
とっても短い5話になってしまったんじゃないかなと。
なぜ5話分の予算しかなかった?実写版「幽遊白書」と「ONE PIECE」の比較
幽遊白書は全世界で5000万部を超える大ヒット作であり、世界中にファンはいて実写化を喜ぶファンも多いです。
最近実写化したワンピースとそんなに変わらないはずだと考えられなくもないですよね。
なのにワンピースは全8話で、しかも直ぐにシーズン2制作決定して幽遊白書とぜんぜん違うレベルの予算がつっこまれました。
幽遊白書とワンピースは何が違うのか、比較して幽遊白書の予算がなぜ少ないのか考えてみます。
幽遊白書とワンピースの違い①認知度
ワンピースは全世界で累計発行部数が5億部。(国内4億部、海外1億部)
マルがひとつ多いんです。
信じられないくらいとんでもなく売れまくっている漫画なんですね。
幽遊白書も人気ですが昔の作品ですし、5000万部ですからね。
もちろん十分スゴイしおもしろさだってひけをとりません。
個人的には幽遊白書の方が好きですけどね。(マジ)
幽遊白書とワンピースの違い②非英語
ワンピースの実写は日本人もいますけどほぼ全員が外国人。
オリジナル言語は英語。
世界で最も使われてる言語は英語なんで、やっぱり英語作品は視聴者数も違うんです。
視聴率、視聴時間などを重視するNetflixは非英語よりも英語作品の方に自然と力が入るのかもしれません。
Netflixは地域のヒットが世界のヒットに繋がると最近言ってますが、英語作品と同レベルの予算が出るかと言えば…。
幽遊白書とワンピースの違い③海賊と妖怪
ワンピースは海賊の話ですが、幽遊白書は妖怪の話ですよね。
世界でどちらの方が理解してもらえるか
そりゃ海賊ですよね。
いまだに海賊っていますし問題にもなってますし。
妖怪という概念、存在って幽霊とも悪霊悪魔ともちょっと違うので外国人にはなかなかピンとこないんじゃないかな?
そうなると興味を持ってくれる人はどうしても少なくなってしまうのかもしれませんね。
という3つの理由でワンピースより予算が少なくなってしまったんじゃないでしょうか。
仙水編のシーズン2はあるのか?残された伏線
さてここから幽遊白書シーズン2があるかどうか、その可能性について考察していきます。
まず仙水編への伏線が2つあります。
1つは1話でコエンマが前任の霊界探偵が…というセリフがあって、幽助みたいな霊界探偵が前にもいたことがわかります。
しかし彼がどうなったかは明言されておらず、なぜいなくなったかは特に包まれたままとなっています。
そしてもう一つがラストシーン。
戸愚呂兄が頭だけで生きていたことが描写されています。
原作では仙水が戸愚呂兄を見つけて左京の計画や幽助たちの話を聞いたことで人間を滅ぼすために魔界の穴をあけるという流れになっています。
特に戸愚呂兄に関しては生きてたらやべーんじゃね?と思わせるほどの狂気を持ってますからね。
原作読んでない人も、あいつどうすんの?と疑問が残ったんじゃないでしょうか。
この2つの伏線があるのでシーズン2の可能性というのは0ではないと言えます。
Netflixが予算をくれるかどうかは28日間で決まる
次にNetflixという大企業がどう考えるのかというのを考えてみます。
普通に、一般的に考えたらこれだけの人気がでたんなら即決定してもおかしくないですよね。
だって世界76の国と地域でトップ10入りで、しかも週間グローバルランキングの非英語・ドラマ部門で1位とってますからね。
でもこのNetflixという会社は瞬間的にバズっても大きく評価しないようです。
キーワードは「28日間」です。
基本的にNetflixというのはデータで全てを決めます。
視聴時間、批評家の厳しめの意見や評価、視聴者の不満と高評価などなど。そのデータが集まるのが配信スタートして28日後なんです。
つまり面白いかどうかでNetflixは評価しなくて、おもしろいのは当たり前でなおかつNetflixに新規加入者を増やすほどの魅力ある作品なのか、多くの時間をNetflixで過ごしてくれるような作品なのか、ここを最重要視しています。
企業だからあたりまえなんですけどね。
これがあると次のシーズンの制作費を出すという決定に繋がるんです。
もちろん厳しい意見が多ければ打ち切りになります。
ネットフリックスはオリジナルドラマが多いですけど、平均してシーズン2で打ち切られているんです。
大ヒットドラマや映画の記事が多いのでこのデータは意外でした。
実写版ワンピースはもはや伝説的化物コンテンツになった
ワンピースの実写版はすぐにシーズン2決定しましたがNetflixでもかなり珍しいパターンだそうです。
ワンピースが何故シーズン2がすぐに決まったかというとさっきも言いましたけどワンピースが世界的な知名度も高くて、さらに実写ドラマの評価が凄まじく高かったからです。
ワンピースは配信2週間で3780万再生達成。
93カ国でトップ10入り、そのうち46カ国で初登場1位を記録。
ロッテントマトでは1万件以上の評価で視聴者スコア96%というとんでもない数字をたたき出した化物コンテンツとなりNetflix史上最高スコアの一つとなった伝説的な作品となったんです。
そりゃ続編作るに決まってますよね。
それとワンピースは原作者の尾田先生がしっかり関わってます。
最初あまり乗り気じゃなかったんですけど、制作チームがプリズンブレイクを手がけたチームだと聞いてやる気がでたそうですよ。
さらに制作プロデューサーで、トゥモロースタジオCEOのマーティン・アデルスタイン氏が何度も日本にきて尾田先生と打ち合わせをしたとのこと。
絶対に良い作品を作るんだという熱量が伝わってきますよね。
ちなみに実写版カウボーイビバップの場合はアニメ監督の渡辺信一郎がこの作品を実写化させたいという思いがなかったため、熱量があがらず、今のアメリカの作風、つまりポリコレに配慮したりで原作の良さを全てぶち壊してしまったと…。
配信2週間で打ち切り決定された作品はやはりそうなるだけの理由がちゃーんとありますね。
Netflixが重視するもの
また、Netflixのオリジナルプログラム担当副社長だったシンディー・ホランド氏は2018年にこんな発言をしています。
「一番重視するのは製作費を正当化できるだけの視聴率をとれているかという点である。」
熱狂的なファンがいようがいまいが全てはそこ。
制作コストと評価が見合っていれば続編制作、見合ってなければ打ち切り。
非常にシビアな世界なんですね。
幽遊白書の海外の反応観てもキャスティングとかストーリー構成については否定的な意見が多いですよね。
Netflixでは多くの人が見てくれる作品が理想であり、例えばストレンジャーシングスは既存の契約者を楽しませる、喜ばせるだけでなく新規加入者の増加に貢献したから、予算が増え、シーズンも続きました。
そうなると幽遊白書シーズン2の制作は厳しいかもしれません。
まだわかりませんがね。
まあとにかく28日間で全てが決まります。
しかし幽遊白書続編制作の可能性は残されている
厳しい意見も多いですがおもしろかった!原作を作りこんでいた!と僕のように喜んでいる人も世界では多いです。
ロッテントマトでの評価も80%を超えていて実はかなり高いんです。
だからそういう人たちがさらに増えて高評価が多くなればNetflixも制作費をだしてくれるかもしれませんね。
まだ幽遊白書には多少なりドラマ化できるストックがありますから。
さっき話に出てきたアデルスタイン氏はやはり原作者の賛同を得ること、祝福されるということが大事と発言しています。
アメリカの制作者たちもオリジナルに近づけないと評価は得られないということがわかってはいるんでしょう。
なので、冨樫先生、よろしくお願いします!
まとめ
というわけで前回の総評からシーズン2の考察までをしてみました。
おもしろかったからこそ暗黒武術会編までをたったの5話で終わらせることになってしまったのが本当に悔しいですよ。
長く続かせるためにはヒットが必要、そうなると原作初期の部分はカットせざるを得ない。でも続きを作るためには話のストックが必要になる。
今回の実写版作った制作陣の人たちは本当に悩んだと思います。
それでもスゴイ実写作品に仕上げてくれた、素晴らしいものを作ってくれたこと、何度も言いますが
ありがとうございました。
そしてお疲れさまでした。
既に終わっている原作、そして残りの展開を考えてもシーズン3くらいまでが限界かもしれません。
それでもね、まだ作りこめる余地があるわけです。
だから僕はシーズン2制作に期待したいと思います。